才色兼備な女性との出会い
数年前に会った女性の話をしようと思います。
彼女は31歳で僕より少し年上でした。
某有名大学を卒業し大手企業の営業職に就き成績も上位で優秀。
ルックスはというと、肌は透き通るように白く清潔感があり、小顔で目がぱっちりとしていて、いわゆる才色兼備という言葉がぴったりな女性でした。
僕は女性から依頼を受けてラブホテル等で性感マッサージを行っているのですが、数多くの出会いがあり、その数と同じ分だけ別れがあります。
仕事のように割り切って毎回会っているつもりですが、振り返ってみるとふと物寂しく感じてしまうくらい、印象に残る体験もたまにあったりします。
今回はその女性と初めて会った時の体験談になります。
池袋での待ち合わせ
6月、立っているだけで額に汗が滲むような暑い日だった。
改札を出て、少し早歩きで今回の依頼者が待っている場所へと向かう。
待ち合わせ場所は池袋駅北口にある、少し古めの喫茶店の前だった。
歩きながら、どんな女性が来るのか思いを巡らせる。
十数往復にも及ぶメールのやり取りで、彼女の人となりは分かっていた。
そして、人には言いにくいある悩みを持っているということも。
彼女のことはすぐに見つけることができた。
体のラインが細く、聞いていたより身長は高く見え、人通りが多い場所だったが彼女は一際目立っていた。
うつむき加減でスマホを弄っていたが、顔が整ってるということは一目で分かった。
事前に聞いていた通り、肩甲骨にかかるくらいの黒のロングヘアで黒のスキニーのパンツに白い半袖のゆったりとしたシャツを着ている。
夏だが、とても涼しげな印象だ。
緊張した。
学生時代に遡って例えたら学年に一人、いや学校に一人いるかどうかの美女だ。
これまで多くの女性と会ってはいたが、このような美貌の女性に呼ばれることはあまりなく、慣れていなかった。
おまけに僕はあまり自分に自信があるほうではない。
エセ出張ホストみたいなことをしているにも関わらず、だ。
暑さと緊張で吹き出る顔の汗をハンカチで拭い、ペットボトルのお茶でカラカラの口の中を潤わせ、彼女に声をかける。
「こんにちは、はじめまして。みきさん(仮名)ですよね?」
横から不意に声をかけたからか彼女は驚いたようにこちらを見て、1秒後にニコッと笑って返事をした。
僕は人からどう思われているか気にしてしまう類の人間なのだろう。彼女の反応や仕草から悪い印象を持たれていないと感じ、少し安堵した。
挨拶もそこそこに、ラブホテルへと向かう。
性的な悩みを抱える彼女
彼女の悩みとは、性欲が強いことだった。
性欲が強いものの、仕事が忙しいからと彼氏を作る気にもなれず、かと言ってそこらへんの近寄ってきた男とSEXをするのは抵抗があるそうだ。
今、巷で話題の女性向け風俗のお店も何回か利用したことがあると言う。
彼女が言うには”お金を払ったほうが安心できるし、割り切った関係になれて楽”だそうだ。
そうこう歩いているうちにお目当てのラブホテルに到着した。
タッチパネルで部屋を選んでもらい、彼女が会計を済ませる。
普通のカップルであればほとんどの場合に男がホテル代を払うだろうし自分も彼女がいた時には払っていたが、今回は関係性が違う。
いわば僕は買われているようなものだ。
絶対に満足してもらおうという使命感みたいなものが沸々と湧き上がる。
ラブホテルでの緊張
部屋に入り、バッグを隅に置いて、手を洗ってから二人掛けのソファーに座り部屋を見回す。
清潔感があり、シンプルでありながらも小洒落た部屋だった。茶色を基調としていてラブホテルというよりデザイナーズホテルっぽい印象だ。
彼女もお茶を一口飲み、僕の隣に腰掛けた。香水のようないい香りが微かに漂ってきた。
「あー、涼しくて天国みたい!」
「キレイな部屋でよかった」
明るく笑いながら言った。
ちらっと横顔を眺めるがやはり顔立ちが整っている。
これからこの女性と性的なことをするという現実感が持てないくらいキレイだ。
初対面の女性と”行為”をするにあたって心掛けていることがある。
それは自分に心を開いてもらうということ。
男性は性欲がありさえすれば、そしてその女性が生理的に苦手な相手でなければ、よほどのことがない限り性的に興奮できる。
しかし女性は違うのだ。
女性が性的に気持ちよくなるにはどれだけ打ち解け合えて心の距離が近づけるかにかかってると言っても過言ではない。
女性と会う時には毎回しているように、リラックスしてもらうために他愛もない話をした。
趣味の話。仕事の話。好きな食べ物。最近あった楽しいこと。
人見知りはしない性格なようで、よく笑いこちらの話にも乗ってくれた。
シャワールームでの親密な時間
20分ほど話しただろうか。僕の方からそろそろシャワーを浴びようかと切り出した。
彼女も少し畏まった面持ちとなり頷く。 二人で立ち上がった。
足拭きマット、バスタオルにバスローブ。シャワー後、スムーズに彼女が着替えることができるように僕は浴室の前に丁寧にそれらを置いた。
「なんだか、恥ずかしいね…!」
照れ隠しなのか笑いながら言った。
そして意を決して大胆にスキニーのパンツを脱ぎ始めた。
黒のレースの下着が露わになり、脚はスラリとまっすぐ伸びている。下着の色とのコントラストでより一層肌の白さが際立っていた。
あまりジロジロと見て恥ずかしがらせてしまうのは申し訳ないので、さりげない感じにキレイだと褒めつつ僕も服を脱ぐ。
身長は160cmほどで高くはないものの、小顔で手足が長いのでモデルのようなプロポーションだった。
シャツ、ブラジャー、ショーツと順に脱いでいき「先に入ってるね」とハンドタオルでバストと局部を隠して浴室へ入っていった。
見慣れているので普段だったら女性の裸を見てもあまりドキドキしないのだが、この時は違った。今から性的なシチュエーションになるんだと胸が高鳴っていた。
タオルを腰に巻き、僕も浴室のドアを開いた。
目に飛び込んできた光景はバスチェアに座ってる彼女の白くて細い背中と小さなお尻だった。くびれもあり女性らしい曲線を描いている。髪留めで髪を上にあげ、露わになっている色っぽいうなじも印象的だった。
彼女はボディソープをつける前にシャワーで身体を軽く流しているところだった。
身体を洗ってほしいとメールで話していたことを思い出していた。
彼女の背後に膝を着き、貸りるねとシャワーヘッドを彼女の手から掠め取る。
浴室の鏡越しにお互いの目が合い、恥ずかしそうに彼女が笑ったので僕もつられて笑った。
「わー、洗ってくれるの?」
おどけた感じで訊いてきた。
シャワーヘッドを床に置き、側にあったボディソープを手のひらに広げ、泡立てた。
そして両手を背中に滑らせた。
少しでも強く圧したら痣ができてしまいそうな繊細な肌のように見えた。僕は壊れモノを扱うかのように優しく洗った。
肌と肌の触れ合いがもたらす感情
時々、ふふっ、とくすぐったそうに彼女は笑う。
肩、二の腕、手のひら、指。
隅々まで手を滑らせる。
「なんだかお姫様になった気分だよ」
嬉しそうに笑った。
背面は終わったので、次は前面だ。
彼女の背中に身体を密着させた。
ぬるぬるしている肌と肌を重ねるというのは気持ちがいい。
同時に、胸の鼓動が背中越しに彼女に伝わっているかもしれないと思うと恥ずかしかった。
彼女の身体に両腕を回し、まずはお腹に触れる。そして、優しく手を滑らせる。
無駄なぜい肉はなく引き締まっていた。
そして、徐々に上へ…。
2つの双丘に辿り着いた。
触れる前に「ここも洗おっか?」と指を指して笑いながら訊くと、「うん、お願いしようかな」と恥ずかしそうに答えた。
推定Bカップほどのバストだった。
ボディソープを潤滑剤にして円を描くように手を滑らせる。
小ぶりだが、形はきれいで柔らかさがあった。
そのおっぱいをじっくりマッサージするかのように、いやらしく、手を這わせた。
彼女の気持ちよさそうな反応
和やかだった雰囲気が一変した。
彼女の口数は少なくなり、微かな艶めかしい息づかいだけが無音の浴室に反響していた
彼女は明らかに性的に感じていた。
さっと身体を洗って普通に出るつもりだったが、もっと”いじわる”をしてみようと考えた。
彼女が感じているだろう箇所で円を描き続けた。手のひら全体を使って。
何回も何回も、執拗に、いやらしく。
すると、双丘の中心にある突起が徐々に硬くなっていくのが分かった。
エスカレートしていく愛撫
「あれ…?」
「なんで硬くなってるの…?」
少し笑みを浮かべて耳元でからかうように囁くと、彼女は「もうっ…」と力ない声で反応した。
さらにエスカレートさせる。
耳の縁を唇でなぞったり、甘噛みしたり、たまに息を吹きかけたり。
それらと同じタイミングで彼女の身体はピクッピクッと小刻みに震える。
もちろん手の動きも止めない。
2つの突起を指でつまみ、クリクリと優しく回した。
「あっ……あん………あっ………」
真正面の鏡にはまるでAVを見ているかのような淫らな光景が映っていた。
一糸纏わぬ姿の彼女が初対面の男性に身を委ね、乳首を弄られて顔を歪め性的に感じているのだ。
ボディソープでぬるぬるになり光沢で輝いているカラダがより一層オトナの女性の色気を醸し出していた。
僕は彼女のすべてに魅力されていた。
今度は下半身が気になった。
どのような性器をしているのか。触ったらどのような反応をするのか。
片手を下方にゆっくりと移動させていった。
みぞおち、おヘソ、そしてキレイに整えられた黒い茂みを通って…。
中指の先は割れ目へと到達した。
「ああっ…」
弱々しい声と共に彼女の身体がぴくっと反応した。
ボディソープとは明らかに質が違うぬめりがそこに滲(にじ)んでいた。
愛おしさから、彼女を後ろから抱きしめる力をぎゅっと強めた。
ここでふと考えた。
このまま続けるべきなのか。
一時中断して身体を洗い流してベッドに移動するのもありだったが彼女に聞いた。
ここで続けるか。それともベッドに行くか。
分かりきっていたことかもしれない。
彼女の答えは前者だった。
そうと決まればここで彼女を”満足させよう”と意を決した。
浴室でのクライマックス
再び、優しく中指をスライドさせた。
熱を帯びた彼女の性器の形に沿って。
デリケートな部分で、触り方の好みは女性によって様々だ。
彼女の反応を見ながら、ゆっくりと、豆腐を潰さずに撫でるかのごとく優しく触った。
「はぁ………いやっ………んん〜…………」
彼女の愛液が潤滑剤となり、力を入れなくても中指がツルツルと滑る。
クリトリスに指が触れる度に声にならない細い声が漏れ出た。
初対面の男女がお互い裸で身体をくっつけていたら普通は違和感があるものだが、もうそれはなくなっていた。
彼女は首を90度ほど回してこちらを向いた。
お互いの顔の距離は5センチも離れていない。
ん?どうしたの?と言いかけたところで、彼女は不意にキスをしてきた。
貪(むさぼ)るような情熱的なディープキスだった。
舌を強引に僕の口に侵入させ、激しく絡ませた。
息遣いも荒く、彼女の顔は紅潮していて、明らかに欲情していた。
普段はクールで性欲も少なそうに見える彼女が、オトナの女の性的本能を爆発させていたのだ。
僕も負けじと舌を絡ませ、彼女の想いに応えた。
愛液はエンドレスに溢れていた。
彼女の性器を弄り続けている中指全体にねっとりと絡みついている。
もっと気持ちよくなってもらいたい。
想いはそれだけだった。
キスを止め、彼女に浴槽の縁に座ってもらった。
そして、僕は彼女の股を広げ、その前に前屈みに座る。
女性特有の香りが鼻腔をくすぐった。
彼女も僕が何をするか悟ったようで腰を少し前に出した。
惹きつけられるように僕は彼女の割れ目に舌を当て、ゆっくりと這わせた。
すごくいやらしいことをしていると彼女に見せつけるように、ねっとりと。
「あっあっぁぁぁぁぁ………いやっ…………」
彼女の甘い矯声が浴室に響いた。
少ししょっぱい無味の愛液が舌に絡みつく。
ソフトクリームを舐めるみたいに下から上に何度も舌を這わせた。
脱毛をしているのかIラインには一切毛が生えておらずツルツルで舐めやすい。
「んっ………んん……あああっ……」
顔を歪ませ、僕の頭を掴む彼女の手に力がこもる。
舌を性器から離す度に、だらーんと放物線状に愛液が垂れる。
彼女が感じてくれていて、シンプルに嬉しかった。
男も女も焦らされるのが好きだ。
焦らせば焦らすだけ神経が研ぎ澄まされ、性感帯に触れたときの感度が倍増する。
だが、直感で彼女はすぐイケるタイプだと思った。
クリトリスに舌を当てチロチロと横に動かした。
「あっあっっ…あっ……!」と反応も激しくなる。
さらに続けた。一定のスピードでクリトリスを刺激し続けた。
「あっっあっっあっ…ああぁぁぁぁぁイクイクイクイクーーーー!!!!!」
絶叫に近い感じで叫び、彼女は果てた。
そして、そのまま床に座り込んだ。責められ続けて疲れたのか、明らかにぐったりしていた。
頑張ったねという意味を込めて、僕は彼女をギュッと抱き締めた。
浴室からベッドへ
二人で浴室から出て身体を拭いてあげると彼女は無邪気に喜んでくれた。
なんでも、執事を雇ってるみたいとのことだ。
今回に限ったことではないが、一度男女の関係になると、一気に壁はなくなり2人の距離は近づくことができる。
ベッドに移動したあとは、猫のように甘えてきたり、キスしてと要求してきたり、求められるがままに指や舌を使って身体を愛撫してイカせて、そしてまたキスをして…。
今日初めて会ったのではなく、昔からの深い仲だったと錯覚すら覚えたりした。
再会と別れ、そして儚さ
あの日以降、彼女は何度も僕を呼んだ。
1年の間に6、7回ほど会い、毎回が濃密で忘れがたい時間だった。
お互いを求め合う時間は、次第に親密さを深め、身体だけでなく心も通い合っているような錯覚に陥ることもあった。まるで長年の恋人のように、彼女は甘え、僕はそれに応える。
しかし、そんな関係も永遠ではないことを、僕は知っていた。
本物の恋愛とは違い、僕たちの関係にはいつか終わりが来る。
そしてその時は、突然訪れた。
いつものように笑顔で別れたはずの彼女からの連絡は途絶え、疎遠になっていた。
連絡はしなかったので理由は分からない。
新しいセフレを見つけたのかもしれないし、あるいは本当の愛を見つけ、僕の存在はもう必要なくなったのかもしれない。
僕の役割は、その瞬間に彼女を癒し、満たすことであり、そこに永遠を求めるものではないと理解している。それでも、ふとした瞬間に彼女のことを思い出し、寂しさが胸に広がることがあるのは、人間らしい感情なのかもしれない。
彼女が幸せでいることを願いながらも、僕はまた別の誰かを癒すために、前に進む。
それが僕の、ある意味では仕事であり、この儚い世界の中での役割なのだ。